人間にとって「性」とは何か?ー「オタクvsフェミ」についての簡潔な記述

はてなブログでは初めて記事を書くことになります。このブログでは、無学で浅学な人間がみずからの書きたいことをつれづれに記していくことを、つれづれにしていきたいと思っています。

 

「つれづれ」という特徴からして、論題は往々として時事性を孕みます。今回の「」というのも、もともとはTwitterで「性的搾取」が話題となっていたことに起因しています。ということで、気がすむまで「性」について語っていこうと思います。

 

「性」というのは、"生物学的に"簡単に言えば「オトコかオンナか?」ということで(炎上の回避)、つまり「陰茎がついているかついていないか?」ということになる……と思います。生物学には詳しくないので、そんなことなかったら申し訳ないですが......。

 

ただ、この陰茎の有無が、人間のあいだに大きな格差を引き起こしたというのは、近代的思想としては正しいことを認めざるを得ないでしょう。よくある「男性は働き、女性は家庭に入る」というステレオタイプは、もちろんそれが正当な場合もありますが、明治の日本などでは「女性は学問をするな!」みたいな形に歪んでいったのは、それのひとつの証左になっているはずです。とまれかうまれ、「なぜそこまで男性が女性より社会的優位を保っていた(る?)のか」と聞かれれば、それはフィジカル・パワーによるものだと答えることができます。

 

全体的な傾向として、男性は女性よりも力が強いです。梅棹忠夫が「第一地域」と呼んだヨーロッパや日本、すなわち「文明的に発展している地域(比較的)」では基本的に「封建」→<革命>→「資本主義・自由主義」のスタンスがとられていましたが、封建社会をそもそも確立したのは武力によるもので、馬に乗ってやんややんやしたり、剣を持ってやんややんやしたりするにはやはり筋肉が必要です。そうなると、必然的に男性より女性が戦に向いているということになるので、武勲が尊重される社会においては、当然男性の方が権威を持つということになります。「じゃあ女性の君主はどうなのよ?」と疑問符をつける読者(いない?)の方もいるでしょう。日本の推古天皇を例にとると、推古天皇がなぜ畏敬されたかというと本質的には「天皇」であるからで、その「天皇」がなぜ畏敬されるかというと、「神武天皇が東征したから」ということになるでしょう。イギリスのヴィクトリア女王も、そもそもはハノーヴァー朝の威光あっての威光であって、つまり「女性の君主が畏敬されること」≠「女性が優位であること」なのです。

 

で、封建から革命(暴力ありもなしも)を経て、第一地域は資本主義・自由主義へと移行(!)していくわけなのですが、これらはたいてい近代的な啓蒙思想と時代的に迎合しているので、人権を含めた倫理道徳の共通認識が一般化していきます。また、科学の発展が国力増強になるということに気づいた諸国は、富国強兵を進めるために科学を奨励していきますし、教育も高等ナイズされていきます。そのうえに、毒ガスのような高度な兵器が使われるようになってくると、ますます知識を結集する必要があります。こうして見ると、第一地域のこのフェーズでは「頭脳」「ココロ」が重要になっていくわけです。

 

そうすると、男女の格差はどうなるでしょうか。「オトコ」に存在するフィジカル・パワーのニーズはだんだん低下していきますから、相対的に女性の権利はだんだん向上していきます。あとはそのスピードがどれくらいか?ということです。つまり、第一地域の「封建→資本主義・自由主義」のシフトは、「フィジカル・パワー→メンタル・パワー」のシフトと対応し、さらに「オトコの絶対有利→オトコ・オンナの有利・不利減少」につながっているということなのです。

 

ただ、ここで注意すべきなことは、ひとつは「フィジカル・パワーのニーズの減少」は「フィジカル・パワーのニーズの消滅」ではない!ということです。「力つよい人がかっこい〜」みたいなノリは、「フィジカル・パワーのニーズ」の段落になるでしょう。そして重要なもうひとつは、「女性の権利が向上することは、女性がさまざまなポストにつくことを直接的には意味しない!!」ということです。人間は基本的に動かないほうが好きです。「あ〜お風呂はいるのめんどくせ〜」みたいなやつの敷衍です。そうすると、自由主義なりたての社会の政府では、それまで優位だったオトコが重要ポストに居座りますし、そもそもの社会的立場もそうすぐには変わらないのです。オトコはある意味で時代遅れなことをオンナにやらせようとします。そうすると当然オンナたちは怒ります。「わたしたちだって活躍ができるし、わたしたちだって重要なはずだ!」と声をあげるわけです。新婦人協会の設立やサフラジェットの活動はつまりそういうわけです。あとはオンナたちの行動がどれほどオトコたちを動かすか?にかかっています。オトコたちは(変わることが面倒だから)最初は彼女らを冷ややかな目で見ますが、そのうち「あれ?こいつら可哀想かも」と思い始めます。「人間って考える葦だし、理性があるならオンナもそれでいいじゃん」と思い始めます。そうして結果的にオンナの社会的地位が向上していくわけです。

 

そうやって考えていくと、オンナの地位はすぐにオトコと同一になることがありません。オンナの地位はだんだんとしか向上しないからです。そうするとオンナたちは当然そうぞうしく思うわけで、アゲアゲホイホイよろしく「もっともっと!」と地位を求めることになります。ここでようやく最初のほうの話に戻ってきます。ここまでで2300字も書いていて、時間もけっこうかかっていて、ちょっと書き始めたのを後悔していますが、女性たちが求めたもののひとつが「男性が消費する女性のポルノ」になるのです。

 

オトコ」と「男性」、「オンナ」と「女性」のここでの使い分けを確認しておきます。「オトコ」「オンナ」は「陰茎の有無」で見ています。一方「男性」「女性」は「自身の性認識」で見ていますから、「男性」の中には「オンナ」も含まれることになりますし、もちろん逆も然りです。時代が「フィジカル・パワー→メンタル・パワー」になったので、性の定義も「フィジカル→メンタル」になったということです。

 

さて、Twitterでよく見るこういう類の対立の構図はともすると「オタクvsフェミ」です。ここでの「オタク」は「男性向けポルノ消費者の男性」で、「フェミ」は「女性地位の向上を求める女性」と勝手に定義しました。今。オタクを男性、フェミを女性とだけ決めつけると怒られそうですが、「オトコ」「オンナ」と書いていないので大丈夫なはずです。

 

これまでの感覚でいくと、オタクはフェミに排除されそうに思われます。というのも、女性(オンナ?)の地位の向上は時代が下るにつれて行われていくはずだったからです。しかし、なかなかそうなってはいない。たんに時間が短すぎるのもあるかもしれませんが、けだしこの問題を難しくしているのは「多数派の不在」です。

 

こういうコンテクストで出てくるものといえば、やっぱりSNSなんです。安易ですいません。SNSが登場し、ひとひとりひとりが発信者となる・そして同意見のひとと簡単につながれるようになりました。すなわち、このコンテクストで出てくるものといえば......はい、キャス・サンスティーンの「サイバーカスケード」です。

 

何回も触れていますが、人間は変化を嫌う生き物です。それはもちろん思想でも例外ではありませんから、SNSにおいてオタクはオタクグループで固まって「ポルノいいよね〜」論を形成し、フェミはフェミグループで固まって「ポルノゆるせね〜」論を形成します。そして、themselfの論がどんどん極化していってしまいます。つまり、SNS上で閉鎖的なコミュニティができあがり、そこで論がコトコト熟成されることで、一方に凝り固まった思想がめしあがれになるわけです(サイバーカスケード。かなり凝り固まっている人たちを「極右」(保守的だから)と呼ぶことにするなら、極右オタクがたまに使う「ま〜ん(笑)」や、極右フェミがたまに使う「クソオス」はその典型例といえるでしょう。

 

さて、ここからなのですが、困ったことにサイバーカスケーダーたちは自分たちをマジョリティと誤認してしまうのです。閉鎖的なコミュニティにいるのですから当然そうなります。こうして「多数派の不在」が完成してしまいます。オタクから見ればオタクが多数派で、フェミから見ればフェミが多数派なわけです。実際どっちが多数派なのかはわかりませんが、双方が多数派なりの意見をどしどし応募してくるのです。そうすると、これまでの「女性(オンナ)の権利の向上のしくみ」が必ずしもあてはまらないことがわかると思います。絶対多数派であった男性(オトコ)が少数派の女性(オンナ)に肩入れする形で女性(オンナ)の地位は向上するとさきほど述べました。しかし、SNS上では「多数派が存在しない」わけですから、そもそも肩入れするのがどっちなのかわからないのです。

 

困りました。これではどっちが「正しい」のかがわかりません。「オタクvsフェミ」の論争が起こったとき、オタクはオタクグループで意見を共有しながら、フェミはフェミグループで意見を共有しながら攻撃(口撃)することになってしまいましたサイバーカスケードと「嫌変化性」)。これではいつまでたっても論争が解決するわけがない。あ〜困った困った。どうしよう。どうしようもねーか。だってSNSでしかこんな話できねーもんな。サイバーカスケードが起こらないように、オタク・フェミひとりひとりが「グループに所属しない」とか「変化を嫌わない」とかの意識を持てばなんとかなるかもしれねーけど、そんなことできるわけねーか。あ〜困った。どうもできねーや。あー。